羽の折れた音符
hiro
道端に傷ついた
音符落ちてた
すぐに崩れそうなので
そっと拾い上げて
家に持ち帰り
ちり紙ひいた
丸い缶々に
いれてやった
何をしてしてやれば
いいのだろう
ピアノの上に置いた
傷ついた音符
不安げにこちらを
見つめている
何があったんだろう
そんなこと
どうでもいい
今できるだけのことを
してやろう
ピアノを弾く
思いを込めて
歌を歌う
思いを込めて
たくさんの音で
たくさんの音符で
包んでやった
するとしだいに
傷も癒えて
元気になっていった
でもここにいては
ひとり立ちできない
いつかは大舞台に
放してやらねば
昨日からずっと雨だ
だから
晴れた日にでも