ある日の拾い物
ぽえむ君
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した
ある日
目を失った少女は
歩いている途中で雲を拾った
少女はその雲の中で横たわり
ふわふわと自由に夢を見た
何も見えるものはなかったけれど
少女は光を取り戻した
少女の夢の中では
翼をつけた耳のない少年が
大空の中で自由に羽ばたいていた
自由詩
ある日の拾い物
Copyright
ぽえむ君
2007-07-14 07:12:02
縦