終日 (ひねもす)
こしごえ



うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を見遣みや

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れてくる
小川に うるおう田園 田園

やがて
稲穂の さやかにかおる秋を むかえる
そよ風に
夏の残り火が 灯るのであろう







※ ひもす鳥=カラスの異称。







自由詩 終日 (ひねもす) Copyright こしごえ 2007-07-13 13:50:21
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