もう何も要らない
狩心

電源が切れそうな時代が 着信拒否を続けている
ぴーぴーぴー 「現在」 使われておりません。

切れ切れな断片が
 物語になったとき
  私は若さを失った なんつって、
わたしたちが「わたし」になったとき 葛藤が消えた ぴょーん。
なぜこんな虚無の世界に 情熱的な生物が居るのか とか言いながら、
<大人のような子供が 子供のような大人を批判している>

斜陽

誰も目を覚ましてはいけない時間に
誰も目を覚ましてはいけない場所で

言葉のない世界を求めた者たちが
 感覚だけの世界に辿り着いた
  しかしそれでも満足できなかった者たちが
   感覚のない世界を作り始めた

/ここで何かが聞こえても、聞こえていない振りをすること
/ここで何かに触れても、触れていない振りをすること
/ここで何かを見ても、見えていない振りをすること

悲しい時に涙を流さない練習
嬉しい事と悲しい事を区別しない練習
ナイフで刺されても痛いと思わない練習
ナイフで刺されても血を流さない練習

死にたくないから、たくさんのことを感じたい
と、子供は涙を流さずに泣いていました
そんなことは許されないよ
と、大人は血だらけで笑っていました
人はみんな死ぬんだから、

子供は仕方なく、物語を乗せた「わたし」の船に乗りました

消滅へと近づいていく流れ
それでもなお、存在すること
この、感覚のない世界で


自由詩 もう何も要らない Copyright 狩心 2007-07-13 12:56:58
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