大井圭

平べったい虫のようなもの
電車に揺られる
赤子のごとく
振り返り
振り返り
見つめる単眼
娘る嘆願 
引きつり
皮に 壁を 
はりつき
はい上がってくる
見つめながら
一個師団
指弾され
乾いた過去が
木造築四十年ぽんじゅうねん四畳一間の押入に忘れられた週刊誌の見出しのように暴かれる


自由詩Copyright 大井圭 2007-07-13 10:48:55
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