泣いている
倉持 雛
まるで
氷5個
一気に食べたみたい
体が震えだす感覚に
支配される
静かな雨音の
リズムで踊る
行き先のない足跡を
くっきり残して
薄暗い世界へと
ついて行く
進行を邪魔する
涙の粒を
肌で感じる
目をつぶって
両手を差し出して
すくい取る
さっきまで
冷たかった世界が
不思議と
色づく
水色が暖かい
ぱちん、と
小さな爆発がおこる
そのとき
3色に輝く虹を
見たような気がした
自由詩
泣いている
Copyright
倉持 雛
2007-07-11 22:15:26