あの夏はもう過ぎてしまった
ぽえむ君
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ子どもの頃
特に待ち合わせをしなくても
いつもの公園に集まって
そこから林に探検へ
入ってはいけないような場所に
金網をよじ登る
そうすることが夏だった
シオカラトンボがやけに飛んでいた
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ若い頃
電話で連絡を取り合わなくても
いつもの学食に集まって
そこから将来の探検へ
行けることのないような世界に
無理に背伸びする
そうすることが夏だった
タバコの煙がやけに白かった
あの夏はもう過ぎてしまった
この夏もまた
しばらくすれば過ぎてゆく