つばさいす
木立 悟
碧に緑で描かれた円が
四羽の鳥となって飛びたつ
地には器と光が残され
祝いの言葉に響きつづける
泣いてはめざめ
泣いてはめざめ
水をほしがる子の手を握り
しずくの径に消えてゆく夜
音が音に触れ火を放ち
外はひろがり
奥は遠のき
震え散り咲く花になる
子は椅子を持ってきて
これに座りたいと言う
だがそれはいつの日か
色とつばさにかえってしまう
水曜日 砂糖水
弾かれることなく
聴かれることなく鳴りつづけ
飲み干されてゆく木彫りの器
髪に埋もれたひたいから
つむった両目から花はこぼれる
足もとに眠る四羽の鳥へ
ひとつ ふたつ 花はこぼれる