満天星というと
ドウダンツツジのことだったり
するのだが
いつだったか見た夜空は
まさに満天星という感じで
あれはいったいどこの
キャンプ場だっただろう
キャンプ場の中に
アーチェリー場があって
でもアーチェリーやってる人なんて
昼間も一人もいなくて
でも真夜中
そのアーチェリー場のあたりで
見上げた空には
こわいくらいにたくさんの
星が光っていたのだ
夏の夜は
庭にいると
蚊に食われまくるから
めったに
星を見たりしないのだが
あまりにも情けなかったり
あまりにも悲しかったり
あまりにも悔しかったりした時に
私は星を見る
狭い庭から見上げた
妙な形に
切り取られた空には
確かに
星があるはずなのだが
近眼で老眼で乱視の
私には
ほとんど何も見えやしない
若い頃には
肉眼で
プレアデス星団だって
アンドロメダ大星雲だって
見ることができたのに
いつだったか
天体観測用に買った
口径の大きな
倍率八倍の双眼鏡で
見上げた小さな丸い空
ああ満天の星
小さな丸い空だけど
満天の星