*翼*
ちと

小指と小指を結んで
二人は一羽になった

風を切って越えたかった
孤独という時間

失ったことなどない、と
いつしか
可笑しな錯覚に囚われて

七色の丘は見逃したのだろうか

枯れない花は今も見つからないから
傷痕を抱えて
どこまでゆくのだろう

それでも

結び目に込める君の想いが伝う
片翼へ
ぼくの方へ

七色までゆこう、と 告げる


幾歳越えて
手に入れたものを知った

かけがえのない
それは


ほどけない翼





 何度でも、七色までゆこう。


自由詩 *翼* Copyright ちと 2007-07-09 22:24:48
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