しずかに
灯和

 夜に光る冷たい指輪は
 体温を吸い取ることもなく
 月の周りを、一晩かけて
 くるりくるりと廻ります。


 君の下唇に残された
 あかいルージュ
 のような灯火に
 優しく雨が降り
 とめどなく、
 強い媚薬になっていく。


未詩・独白 しずかに Copyright 灯和 2007-07-09 21:23:54
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