夢色にうかんで
いすず

朝起きて カーテンをあけるの
こころに届く メッセージをうけとるようで

ひかりが 胸の奥まで差し込む まぶしくて

今日も 平安な一日とねがい
グリーンに ブリキの小さなじょうろで水を差す
こぼれるような 斑入りの葉が撓って
そのままの笑顔で あなたがほほえむように

風のぬくもりは いつも冷たいから
でも負けないの 水がいつも洗い流してくれる
喧騒も ゴシップも 乾いた笑いも

夢色に みつめてみたいね
そんなにしあわせな朝があったなら
きっといつでも さがしにいったね

夢色にうかんで 今日もひなたぼっこ
昔見た おとぎばなしの夢を見る
林檎を食べると 死んでしまうの
あなたが そこにゆくよと 指さきで髪をそっと梳く

やさしいけれど いつかは消えてしまうと
そんな思いがはなれない
涙がつたうと あなたはそっと 腕を回してくれる
その ぬくもりのなかでだけ 休めるの
あなたがいれば こわくはないの

いつかは 醒めてしまう夢でも

このおとぎばなしのなかでだけ
わたしはわたしでいれる
そんなことに気付いた ある日曜日


自由詩 夢色にうかんで Copyright いすず 2007-07-08 20:44:57
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