なんちゃって琉歌(2007年上半期版)
吉岡孝次

初冬

桜の葉 すでに
落ちて 紅に
一枚 拾うか
拾うまいか



実はこちらが第一作目

夜が眠れない
耳は音ばかり
追って また戻る
くるま くるま



この冬一番の冷え込み

鼻風邪は治せ
ぬるい地下鉄で
地球温暖化
「熱」の薬



この冬初めて目にする霜

赤い屋根の上
駅前の花壇
もしも、じゃなくてさ
霜は 降りた



as a blog reader

猫を飼うブログ
歌手や哲学者
きみら 嫁もらえ
婿をもらえ



今年こそは、と思って初挑戦

これがボジョレーか
濃いな 意外にも
変換は「恋な」
辞書 うざい



オン書きに挑戦

生ける者たちよ
死せる者たちよ
そこをどいてくれ
姫を通せ



風邪の治りかけに

明けぬ夜はない
下がらない熱も
北極の冬は
わきへ置いて



明けましておめでとうございます

賀正 書き初めは
黒く渦巻いて
潮差また潮差
子女の破顔



蜜の味?いいえ

なんて悪趣味な
ブログ読み歩き
デイトレの破綻
佳女の悲恋



暖かい格好でお過ごしください

アバターの服は
いわば一丁羅
着道楽かもね
僕の方が



木陰の少年

読むひとは誰もいない墓銘碑に
ログインし 築く
詩への堤



記憶の中のビーチサンダル

寄せる波よりも
引いてゆく波が
足元をさらう
砂の情事



ありがとう

風に流されて
雨に穿たれて
謝辞は 遺言は
千々に巡る


伝統定型各種 なんちゃって琉歌(2007年上半期版) Copyright 吉岡孝次 2007-07-08 09:01:01
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