曇りガラスの向こうになる前に
doon


 心はいまも、ガラス細工のスペースコロニー
 遠く 遠くへ
 数多を駆け抜けて通り過ぎると
 夢を掴もうとした両手は
 さり気なく
 空を見つめた

 ふと
 呼吸には温度があった
 室温以上の
 暖かい命
 両手をかすめて
 ホッと身体に帰っていく

 物語は常に
 1ミリグラム以上の呼吸から始まっていた

 夢を語る優しい少年の心は
 小さく呼吸をはじめた
 物語がひとりでに、夢を目指して歩き始めたのだ
 そっと
 四季の風に耳を下ろして
 そばだてよう
 一つの流れ星が見えるのだから

 心はいまも、ガラス細工のスペースコロニー
 みがけばその向こうに
 夢の星が広がる
 一つ一つが
 宝石のように……


自由詩 曇りガラスの向こうになる前に Copyright doon 2007-07-07 20:22:57
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