いもうと
水在らあらあ







いもうとを  見つけた
薄紅色のあじさいに架かる蜘蛛の巣に
囚われて 泣いて

いもうとを  見つけた
砂まじりの南風に吹き舞わされて
囚われて 叫んで

やあ 
はじめまして 
知らなかったよ
でも きっといい友達になれるよ 友達で いいよ

もう迷わなくていいから
もう泣かないでいいから
時々 会いに行くよ
会いに行くよ
知らなかったんだ
知らなかったんだ

妹は微笑む
まるで
なにもなかったように
白馬も シマウマも 金魚も
タンポポも オオカミも 銀河も
なにも
なかったように

妹は泣く
まるで
なにもかも そこに流れて溺れるように
向日葵も 潮風も 
眠ってばかりのクマも 
血も 涙も 俺も
なにもかも
津波のあとの 虹ように



海を、ね、水平線を、見れれば、ね、いいね
一緒にね
あはは
あはは
いや
ほんとにさ 

ほんとに

ほんとに









妹を 見つけた
そいつは 微笑んで 凍えて






帆柱の上に立って 風を見ていた















自由詩 いもうと Copyright 水在らあらあ 2007-07-06 09:35:16
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