夢色幻想
石瀬琳々

あなたがいってしまった次の朝
庭の隅に赤いバラを植えました
赤いバラの蕾から
黄色いつばめが飛び出します
私はつばめの背中に乗って
雲の向こうへゆくのです


虹はリボンになって
風にひらひらゆれています
瞳にたまった涙のしずくは
ダイヤモンドになって
鏡のような青い海に落ちました
真っ白な羊が空をかけめぐり
ときたま
るり鳥がさえずるぐらいです


向こうに大きなひまわりが
葉を四方に茂らせています
ごらんなさい
マーガレットの雨が上がったばかりで
地上は一面の白い花畑です
南から四つ葉のクローバーをくわえた
べにすずめが私の前を横切り
北の方に飛んでゆきました


たくさんの蝶が大きなひまわりに
きらきらと群がってきれいです
私はつばめの背中をおりて
ひまわりの葉にぶらさがる
スイートピーの花ぶらんこに座ります
花綱をにぎりしめながら
このままずっとこぎ続けていたい
このままずっとゆれ続けていたい
どうか





自由詩 夢色幻想 Copyright 石瀬琳々 2007-07-05 14:24:43
notebook Home 戻る