刻塔に渡る
砂木





寝苦しい夜 はみだした足が
そろりと風を止まらせた

畳の上を這う 小さな羽虫の陰

名札をはずしたつもりになっても
はずれたくない場所がある

どこからもひかれない手だから
にぎりしめて 目を瞑る

木の枝の先に 開く花を思い 
散って佇む 実りを乞う



自由詩 刻塔に渡る Copyright 砂木 2007-07-05 00:10:28
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