白昼夢
麻生ゆり
暗い
暗い暗い海の中で
私は浮かんでいる
浮くことも沈むこともない
そのときの私は
長い髪で
白いワンピースを身に纏っている
ゆらゆらと
私は漂い続けている
そのとき海月が1匹
私に沿うように
泳ぎ近付いてきた
私は嬉しくなって
(本当は海月も嬉しいのだ)
長い時間海月と遊んだ
とても楽しかったので
あなたを命尽きるまで
私のものにしてもいいか?
と聞いた
海月は、かまわないよ、
と答えた
こうして
海月は私のものになった
共に2人だけの時間を共用し
私は
海月と遊び続けている
世界には
私たちしかいなかった