再び人生を問う
生田 稔

再び人生を問う   

整理する本棚にみる妻の本ほのぼのとした明るいおもい

オールド・ファション・シボレーが走るハバナの側堤を

夜のキャバレーの黒人歌手みんな独りよがりで生きているのさ

スーパーの広場におれば人さまざま為すことなき身にはふさわし

失望しスーパーでかけ売り買いし働く人に励まさるれば

やや涼し立秋の翌日赤トンボ飛ぶ通り道を歩きゆけば

物語や言い伝えと同じだけ人は妄想を抱きつづける

午後四時に法師蝉はあちこちと声あげはじむ夕暮れ迫る

ふとわれにかえり考う大命題人と神自然と人生

学問で神に関る謎解きえず上に向かいてしきり問うのみ

清く正しく美しく平凡にそのようにして生きてゆきたい

テレビの画面男と女海辺にたわむれてそして二人は?

愛のない世見捨てられた世だ湯につかる温かい愛が伝わる

幸福は身近な君のその家に青い鳥はそこしかいない


短歌 再び人生を問う Copyright 生田 稔 2007-07-04 13:57:04
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