ふるえ あがない
木立 悟
水の鈴が鳴っている
鈴のあとを鈴がゆく
葉の上
土の上をゆく
手と手をつなぎ
生まれる音
伝えたくて
仕方ない笑み
呼吸を疑い
息を受け入れ
あきらめと光と
言葉を浴びる
夜に重なる水の数と
まぶたに重なる夜の数と
どちらが多いか競ううちに
どちらも涙に流れてしまう
響きが集まり旗になり
未完の自画像に降りつもり
鈴のあとをゆく鈴を迷わせ
そしてふたたび響きへ還る
痛みも熱も手にむずがゆい
夜に重なる水の底から
夜は朝になりはじめ
共に鳴るものをさがしはじめる
自由詩
ふるえ あがない
Copyright
木立 悟
2007-07-03 22:44:19
縦