ホメロス「オデュッセイア」メモ 0
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オデュッセイアは開始から最後までが40日間の物語ということであり、全24歌からなる。
ここでは4歌をひとまとまりと考え、6つの部に分けて考えてみるが、これは個人的な思いつきにすぎない。
その6つの部に便宜的に標題をふってみると、次のようになる。

 1.テレマコスの旅(第1〜4歌)
 2.オデュッセウスの旅(第5〜8歌)
 3.オデュッセウスの語る漂流談(第9〜12歌)
 4.イタケで父子の再会を果たす(第13〜16歌)
 5.屋敷への帰還から求婚者謀殺の前夜まで(第17〜20歌)
 6.求婚者謀殺とその後(第21〜24歌)

1.はテレマコスが父の消息を尋ねる旅の物語。
2.3.はオデュッセウスが故郷へと帰還する旅の物語。3.はオデュッセウスが宴の席で語る過去の約十年の放浪の様子である。
時間的に同時に並行して進んだ二つの筋は、4.でひとつに合流する。
5.6.で求婚者謀殺があって、最後にオデュッセウスが妻に正体を明かすクライマックスである。

各歌に標題をつけて示す。

(1.テレマコスの旅)
 第一歌   テレマコス、父の消息を求める旅を決意する
 第二歌   テレマコス、集会を催し、旅立つ
 第三歌   テレマコス、ピュロスでネストルに会う
 第四歌   テレマコス、スパルテでメネラオスに会う
(2.オデュッセウスの旅)
 第五歌   オデュッセウス、筏を作りカリュプソの島を出る
 第六歌   オデュッセウス、パイエケス人の国に着く
 第七歌   オデュッセウス、アルキノオスに対面する
 第八歌   オデュッセウス、パイエケス人と交歓する
(3.オデュッセウスの語る漂流談)
 第九歌   巨人キュクロプスの国での冒険
 第十歌   風神アイオロス、ライストリュゴネス族、魔女キルケの物語
 第十一歌  冥府行
 第十二歌  セイレン、怪物スキュレ、魔の淵カリュプディス、陽の神の牛
(4.イタケで父子の再会を果たす)
 第十三歌  オデュッセウス、パイエケス人の国を発ち、イタケに帰還
 第十四歌  オデュッセウス、豚飼のエウマイオスに会う
 第十五歌  テレマコス、エウマイオスを訪れる
 第十六歌  テレマコス、乞食(オデュッセウス)の正体を知る
(5.屋敷への帰還から求婚者謀殺の前夜まで)
 第十七歌  テレマコス、帰館
 第十八歌  オデュッセウス、イロスと格闘する
 第十九歌  オデュッセウス、ペネロペとの出会い。足洗いの場
 第二十歌  求婚者謀殺前夜のこと
(6.求婚者謀殺とその後)
 第二十一歌 弓の引き競べ
 第二十二歌 求婚者謀殺
 第二十三歌 ペネロペ、乞食(オデュッセウス)の正体を知る
 第二十四歌 再び冥府の物語。和解



地図を添付する。以下の図版は、英語wikipedia上の画像をトレースして手を加えたものである。イタケもスケリアも正しい場所は現在も明らかになっておらず、地図の厳密さは斟酌が必要だろう。

  




出来事を時間軸で追った表を添付する。作品内の経過時間を確認してみようとしたのだけど、上手くは算出できなかった。

  



散文(批評随筆小説等) ホメロス「オデュッセイア」メモ 0 Copyright hon 2007-07-03 21:24:50
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