デパート
あおば

                    07/07/02



で。
パート。
あ。
パート。
アッバウトな挨拶
奪われた空の
コバルト
不足する金属のコインを紙で代用
紙コインを
床にばらまき
狼狽える
私の
中野駅前の
デパートの前の
不動産屋の
店先に張り出された
紙の
中野の
駅前の
デパートの前の
不動産屋の
店先に張り出されたキミドリの
間取りの隈取りに
映える顔の
中に
うごめく
真鍮色の
心棒を
用心棒代わりに
外したところ
地震でもないのに
ゆつさゆっさと
揺れて
大船に乗ったような
良い気持ち
ぐらぐらと
グラグラと
異なる周期を
プログラミングする勇気。

キミドリ
ミドリの
風が吹く
ドリンクの美味しい
季節が過ぎて
陽気が暑いと
季節が狼狽えて
うつけものと
見なされた
金色の
私たちの
美しく輝いている
美味しい時間を
真鍮の都から
偽金のロボットが
みがきたての
配りすぎたフリーペーパーを
回収して
紙の中の繊維をほぐし
一本一本
並べ直して
偽せものの
混ぜものの
混ぜ具合を
棒グラフにして
素直に
公開する
透きとおった
ガラス張りの
エレベーター。

とうとう
更地になった
アパートの二階
水が天井から
ポタポタと落下するので
ボタン穴を糸でかがって
ほつれを防止するつもりの
色のないエアーカーテン。

空気の色は
いつもの虹色で
私の
回転する時間は
調整しきれないので
ポケットの中でも
小さな
水蒸気爆発を
繰り返し
臨月の
猫の居眠りを
妨げる。

速やかに
紙の中の戦意を綿密に調査して
校長先生にご報告いたします。

挨拶
礼!

目玉焼きは
寝惚けた目をこすりながら
フライパンの中で
暑い暑いと
汗を拭っては
叱られて
殴られて
転がされて
偽色の
金色の
美しすぎる色になって
私たちの
ベーコンエッグに仕立てられ
朝色の
デパートの
社員食堂の中で
あたふたしながら
忙しい時間を
ついばんでいる
小鳥のようです。


自由詩 デパート Copyright あおば 2007-07-02 18:57:44
notebook Home 戻る