雨に
アハウ

雨 そして静かな脱力
歩道は しみじみと 打たれ
灰のあでやかな 輝きが増す

商家 商家のイルミネーションが
反射し 歩道を潤し

曇天の薄ピンクに 街は灰
唸る都市は 午後へと突入し

思い思いの体に 衣 纏
無口で通り過ぎる 街に

日本の雨季は『入梅』という
美しい言葉で飾られ

立ち止まる路地に
しとしと 雨は降り続き

天を仰ぎ
細い雨に頬が濡れる
とある街のたゆたう 午後は過ぎる


自由詩 雨に Copyright アハウ 2007-07-02 16:24:13
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