6・17 昼
木立 悟
消えかける
蝋燭の火に
あわてる
誰も来ない日
菓子だけが
華やいでいる
もういいから
そう誰かに告げられたかのように
途切れている
数十年に一度咲く花が
今ここでなければならないという理由もなく
ひらこうとしている
最初から無かったのか
願えば失う日々に
捨ててしまったのか
庭のかたちの光が傾き
家へ家へとそそがれて
何かを流し去ってゆく
風は残り 音を回す
揺れがひとつ
昼を照らす
自由詩
6・17 昼
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木立 悟
2007-07-01 11:15:10
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