水の唄
砂木

体に雨があたり続けると
冷えていく寒さに
体内に取り込めば力となる水の
私とは相容れない歩みを知る

宿り木のような両手の指を暖め
握りしめる手の甲を濡らす雨と
向かい合っている体内を巡る水

源は同じ遠くの水脈からきている
けれど私が口に含んだ時から
私だけを生かす水として
この世に存在している

浴び続ければ立ち続けていられない水滴を
唇の上に受けるまま

一滴の冷たさが飲ませたものを
かたくなに 身に巡らせたなら

雨の道を歩きはじめる
まだ 日は暮れない







自由詩 水の唄 Copyright 砂木 2007-07-01 00:27:22
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