駅・大阪港
たりぽん(大理 奔)

流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
 
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマストが
逆光を影に横切る時刻

きれいに染まりたいと
流れていった
はやりうたみたいな
わかりやすい日記帳
ギラリとする波間に

  アクリルの巨大な檻の中で
  さかなたちが夢見る
  遠い海につながる夢
  すべてが満たされる
  ながれていくものたちで
  みたされる長い、ながいゆめ

たどりついたかどうかを
ふたり、確かめたくて

  どこにもたどりつかない
  みたされた海



自由詩 駅・大阪港 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-06-30 23:18:45
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