ゲッケイ
美砂

その特別な血に
近づくと
顔をひそめてしまうくらい
ひどい、だが
虐げられたような、それでいてはむかうような
やるせないような
においがする
あるいは
海のようにきびしくて、底知れぬほどにあまやかな・・・・・・

いまもそっと
湯気をたてている
生きている証拠なのだろうか
それとも
死んで間もないのだろうか

ふきたぎるような
赤 だ




自由詩 ゲッケイ Copyright 美砂 2007-06-30 21:59:20
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