避暑地
山中 烏流

湖の上
淡く、輝く光が
ちらちらと
飛び交っている、その横で
 
私は息を潜めて
空を
じっと、眺めている
 
 
儚く光る
空の、瞬きと
目の前を飛ぶものが
重なる
 
一瞬
燃えたように光ると
2つとも
消えて、しまった
 
 
光り続ける
その2つに、そっと
指を添えてみる
 
優しく
僅かに、温かい光
ほどけて
消えてしまう
 
 
 (はらり
 
 (崩れ落ちた
 (気がした
 
 
刹那、風が吹き
水面が
小さく凪いだのを
 
ただ
真っ黒な月だけが
見ていた
 
 
知って、いた。


自由詩 避暑地 Copyright 山中 烏流 2007-06-30 18:52:55
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