追悼〜憎しみから哀しみへ〜
池中茉莉花

24年間 恨んで暮らした

病気になったときも 浮かんだのは あなたの顔だった
心の中で 仕返しをした

でも、先生、それは あなたが生きていると
思っていたから


今朝、あなたの死を知りました
定年後 すぐ 亡くなったことを
これから 旦那さんと 2度目の新婚生活が
あなたを 待っていたはずなのに


死んじゃった、って聞いたとたん
涙がでてとまらなくなった

体温が 残っているうちに 優しい言葉を 
かければよかった


中学に 上がったとき、 あなたは、地下鉄のホームで
わたしに 寄り添ってくれた
あのときの目が あなたの目
あのとき感じた 小ささが あなたの体

いつか わたしが 生ききって
再びあうときが 来るでしょう
そうしたら わたしは
「先生!」って 飛びついて
抱きしめる

それまで あの目で 見つめていてください

茉莉花


自由詩 追悼〜憎しみから哀しみへ〜 Copyright 池中茉莉花 2007-06-30 10:37:23
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