キミに逢ってからキミが死ぬまでの間
円谷一

 キミが初めて僕の前に姿を現した時 その光景が頭痛がする程脳裏に焼き付いた
 今思い出しても頭痛がする
 キミが可愛くてふわふわした気分で同じ夜を過ごしたんだ
 けどキミは2日後に死んでしまった
 知らせを聞いた時にはもう姿はこの世に無く 泣き暮れたよ
 葬式には行かなかった 今思うと行けばよかったと思うよ
 すぐに大学を辞めた 行っても無駄だと思ったんだ
 無理してでも行っておけば
 でも心がべっこりとどこかにぶつけたみたいに凹んでいたんだ
 息ができなかったんだ
 頭痛の種はあの夜の一時のものなんだ 一生取れそうもない
 頭の中が真っ白になる もう何を書いていいのか分からない
 だから詩の中でだけでもあの時にいさせて
 他に思い出なんて一つも無いけど僕をどうか生かせて下さい神様
 晩春の風が初夏の風に変わる時
 そんな曖昧な間
 生涯忘れられない出来事にであった
 これを障害と捉えるかは自分次第だ
 男がそんなことでくよくよするなよと思われるかもしれないけど
 詩に向かう時自然とあの時のことが思い出されるんだ
 聴かせたかったさくらんぼの歌も
 聞かせたかった星空の神秘についても
 伝えたかった気持ちも水の泡と消えた
 私のお墓の前で泣かないで下さい っていう歌があるけど
 お墓の前に立ったら青空の尊さを身に感じるかもね
 なだらかな山の斜面に立てられた墓地を降りて辺り一面に広がる水田は
 キミに見せたかった景色
 車がたまに通って空気が澄んでいてきっと夜空が綺麗
 想いがさらに増すよ
 一緒に星空を見たかった
 この歌に乗せてこの苦痛が消え去ってくれれば
 キミのことは忘れたくない
 でも忘れないといけない
 アドレスが分からなくて送れなかった想い
 時間があまりにも無かった
 天国は星座の上にあるのかな? それとも下にあるのかな?


自由詩 キミに逢ってからキミが死ぬまでの間 Copyright 円谷一 2007-06-30 05:25:04
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