そのまま
麻生ゆり

ああそうか
何も 変わっていないんだ

暗く 耳が痛いくらい静かな夜に
ゆるやかに しめあげても
浅く 傷つけても
やっぱり そのまま

背中を向けると
追ってくる
その 柔らかな風
もどかしく ただ もどかしく
そしてなおさら
寒気がする
お願い
中途半端はやめて
私は 私でしかないから

あの 冷たい月から逃れるために
走ることくらい できるはずだ
そのために
今は ひとりでいたい

 (2003年5月ごろの習作)


自由詩 そのまま Copyright 麻生ゆり 2007-06-29 23:50:27
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