約束
乱太郎


さようなら 

なんて
言わないはずだったのに




さようなら



ふたりで作った
桜のしおりは
あの日以来 挟んだまま
日記には
もう あなたのことを
書き記すことはないだろう


それでも
そよ風にふれたとき
あのころが
運ばれてくる

優しかった昼と夜
陽気だったアスフャルトの道


いまはもう
涙をこぼす季節は過ぎて

ただ

たったひとつ
公園の木に刻んで


もし
見つけたら読んでください



ありがとう


自由詩 約束 Copyright 乱太郎 2007-06-29 20:34:45
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