わが子へ
宮本 心


あなたがお腹にいると分かった時

どんなに楽しみだった事でしょう

あなたが産まれてきて、

どんなに幸せを感じた事でしょう


小さなあなたに

どれだけの幸せを願った事でしょう



あなたの病気が分かった時

独身の頃

何も考えずに

自分を痛めつけた代償が

なぜ最愛のこの子に

なぜ私じゃなくて

小さなこの子にと

思ったんだよ



その小さな身体で

たくさんの痛みに

耐えなくてはならない事が

最も耐えがたく、

そして最も辛い事



痛くて眠れない時は

眠れるまで抱きしめる事しかできない

不安で泣く時は

やっぱり

安心するまで抱きしめる事しかできなくて



できることなら

代わってあげたい

独身の頃に戻って

自分を止めたいと

どんなに思っても何も変わらずに

何一つこの両手で

変えることができずに



それなのに

あなたは

絶対的な信頼と

もてるだけの愛情を

とても澄んだ瞳で

ママに向けてくれるの




だからね

これじゃいけないって思ったよ

負い目を感じていても

不安があなたに伝わるだけで

何も変わらないのだから



だからせめて、

ママの腕の中が

あなたが一番安心できる場所であるように


あなたの笑顔が

ママを一番幸せにしてくれるように


ママの笑顔がきっと

あなたを幸せにできるように



ママは泣かずに

笑顔でいたいと思うよ



どんなに辛い日も

笑顔でいたいと思うよ







小さなわが子へ



頼りないママでごめんね。

泣き虫なママでごめんね。


産まれてきてくれてありがとう

ママは今この上ない

たくさんの幸せに包まれているよ。



たくさんの愛情と幸せに満ちた人生が

あなたを優しく包んでくれるように


その小さな両手に

溢れるほどの幸せを


その小さな両手に

溢れるほどの愛情を


その小さな胸に

溢れるほどの希望の光を


その小さな胸に

溢れるほどの命の輝きを







そして

願わくば

どうか、


その痛みが

あなたの糧となる日が訪れますように






自由詩 わが子へ Copyright 宮本 心 2007-06-29 10:36:18
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