悲しみと月とあなた
プル式

ここから先には
いったい何があるのだろう
手にした意志は
どこに向かおうと言うのだろう
顔をお上げ
その目を奪ってあげよう
声をお出し
意味も無く笑ってあげよう
心をお見せ
黒く塗りつぶしてあげよう


天国の子供たちよ
泣くのをおやめ
いたずらに悲しむものじゃ無いよ
いたずらに笑うものでも無いが


僕らが生まれた時代に
僕らは生きてなどいないのだから
生まれる時間も場所も


まぶたを閉じて
鼓動の波に呼吸を乗せて
明日生まれる命に
月がゆりかごになりますように


手にした石は
どこに投げられるのだろう
また小さな声が消えていく


おやすみ
幸せな笑顔で
愛しているから
かすれた声でささやき声が
いつ消える
手には
本当はこの手に何があると言うのだろう
声には
本当はこの声にならない声に
世界は揺れない
揺れる
ゆれない
ゆれない


キッチンの椅子に座って
誰を待っているの
帰らないだれか
それともおもいで
まるで映画のように
海が聞こえる


一日に世界中で流れる涙を
世界が騒ぎ出す前に
そっと海に流した
世界中が悲しみに沈んでいる
君の瞳が月の様に浮かんでいる


満月の夜に流れる
ジャジーなピアノ
ウッドの響き
手を取って踊る
誰とも無くキスをして
ほら
二日酔い
メロウなリズムに変わる前に
外に出よう
今夜はそう
フルムーン
怖いものは僕だけさ


自由詩 悲しみと月とあなた Copyright プル式 2007-06-29 03:21:51
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