ジルの野原
たりぽん(大理 奔)

細いだけのものを紡ぎ
不器用に飾られた
花のネックレス
朽ちてしまうことも知らずに
綺麗さだけが
二人を青空にする

失ったものを見上げる
高層の谷間は
つくられた
あの娘の谷間イミテーション
白人を笑わせる
スーのコメディアンのように
忘れてしまえば
それも或いは幸せで
過去や未来ではない今の
ほんのちょっと先と後
つながれた花輪の
黄色のとなりの赤い花

  もう永遠は求めない
  もう永遠は誓わない
  朽ちないものフェイク!だけが約束する
  そんな美しさは

細いだけの時で見つめていたい
美しいと言って抱きしめる
朽ちていくあなたを
ずっとずっと
      ずっと

確かな昨日と明日
つながれた花の
あなたの首にあったという
記憶すら朽ちたとしても

腕の中で
せめて僕の腕の中で

腕の中で



自由詩 ジルの野原 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-06-28 00:00:03
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