eden
服部 剛

降りしきる 
スコールみたいな哀しみを 
突き抜けてゆく 
Poetry

暴力の間に 
道を切り開く 
見えない力の 
Poetry

愛欲の沼に溺れ 
腐ったくずのふぬけた顔が鏡に映る
湿った夜の 
Poetry

愛する人が 
姿を消したあの夜や 
職場に棄てられ 
うめいて泣いたあの夜さえも 
この腕に抱きかかえてゆく 
Poetry

暮れゆく薄闇の空が 
一瞬 罅割ひびわれる 
雷雨の地上をずぶ濡れのまま 
走り続ける 
Poetry


言葉よ、愛よ  
胸に脈打ついのちの音よ 
つるぎ無き、裸の詩人の魂よ  
ひざまずき、雨の喜びを唄おう 


暗闇の 
遠い荒地の彼方には 
たった一つの門があり 
いつかくぐり抜ける向こう側に 
ぼくの大事な人々が 
肩を並べて唄ってる 
eden

日常を 
ピエロのふりして喜劇を演じる 
ぼくが誰も知らない深夜に書いた 
この詩を読んでいる あなた の 
飾らぬ素顔がそこにある 
eden


雨の日の唄歌い 
気晴らしの口笛 
千鳥足のダンス 


この詩のなかにいるぼくは 
時を越えて会いにゆく 
詩集を開いた あなた がいる 

eden





















自由詩 eden Copyright 服部 剛 2007-06-27 02:06:58
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