マリア
雨宮優希

カーテンの隙間 零れだす光の粒
もう少しゆっくり世界が周ればいいのに
この感情に名前を付けるのは辞めよう
この空間そらは 確かに生温く心地良い


此処が楽園だというのなら
今度は僕にも果実を分けておくれ
貴女と貪る罪の味なら きっと甘美に違いない
堕ちるならソラの果てまで ただ二人で


道徳に背こうとも 智に跪こうとも
血を通わせて 体中で感じさせて
愛してるなんて野暮なこと言わないでね
あの白い月のせいにでもして
瞳を閉じてしまいたい また今夜まで


口先だけの言葉や 時計の針などもういいから
その甘い果実を僕にも分けてよ
出来たら口移しで 食べさせておくれ
             

     ねぇ   マリア






自由詩 マリア Copyright 雨宮優希 2007-06-26 03:40:34
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