白い雨線
なかがわひろか

雨が線の様に空から降り落ちます
私はじいっとそれを眺めていました
真っ白な線が雨に混じって
空から伝っていました

私は早速のその白い線の下まで行き
試しに上ってみようと思いました

雨がしとしとと私に染み入ってきます
それはとても心地が良いものでした
白い線はどこまでも続いています
私は靴を脱ぎ捨てて
上り続けました

雨を溜めていた雲を超えて
私は上り続けます
空の色は
真っ青な色に変わりました

私は疲れてきたので
少し雲の上で休もうと思いました
あまりの疲労でどうかしていたのでしょう
足を下ろした瞬間雲はまるで幻の様に
私を透き通らせました

私はまた雨に打たれながら
地面に向かって落ちていきます
途中で白い線をもう一度掴もうとしましたが
落下するスピードのせいで
掴んだ瞬間にパラパラと指が切れてしまいました

私は落ちていきます
白い線は
どこに続いていたのでしょう

(「白い雨線」)


自由詩 白い雨線 Copyright なかがわひろか 2007-06-25 00:36:29
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