子どもの私が叫んでいる
池中茉莉花

私の中で子どもの声が聞こえます
あれは 確かに子どもの頃の 私の声

    あんたは弱っちいフリしてる
    あたしがこんなにがんばってるのに
    ぶちこわしだよ!

    今日あたし、映画をみたの
    キノコ雲の下で おこったこと
    
    背中の皮が 全部剥けて・・・
    
    知ってたけど、こわかった 
    これ以上、言いたくないよ

確かに、覚えています。その後起こったことも、すべて

    そのあと、先生がいったでしょ
    「感想は?」って
    あたし、真っ先に手をあげた
    「こんなことは 二度と起こしちゃいけない。原爆を持つことも
     ゆるしちゃいけない」
    マサアキが立ちあがった
    「カッコよかったけどなー。持つくらいいいじゃんか。使わなきゃ。」
  
    「持ってたら、使いたくなるってば!!」 

    この辺で、先生に、止められたの
    「池中さん、あなたが間違ってる。
     世の中には いろんな意見があるの。
     持つことが悪くないというのは、とってもマトモなことなんです。
     あなたはおかしい。あやまりなさい。」
       
    あとはおぼえていないんだ
    青筋が立っちゃって
    でも、「命がけで 戦争を止める大人になる!!」
    ってどなりちらした。それは、確か。

    あたしは、あんたみたいに弱くない
    でも あんただって もとは あたし   
    弱っちいフリして なんなのよ!

子どもの私はしゃべりつづける

大人になって、真っ直ぐさを うしなった
少し、怖くなったから
だけど 今は、動きたいの
でも 体が動かない 動きたいの 動かなければ

頭だけが 動いてるの

どうしたらいい? 教えてよ
子どもの 私


自由詩 子どもの私が叫んでいる Copyright 池中茉莉花 2007-06-23 17:15:02
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