夜島へ
氷水蒸流

闇は町を飲み下していく
水性の夜空と
夜行性の水が交わる
境目を覗き見るように
島の火から水平に引いた補助線は
離陸していく
それが星だと気づくと
線は頭上を越えていく指先だった

皺だらけの手
覆われた地球
地鳴りのような鼓動
濁流は侵食しない
テーブルに海がしたたる
透明な膜を重ねていくキュー
闇を深める速さですうっと弾かれる

 
「1」に触れる
無音

無音
瞼を開いた夜
砂に足跡を置いていく


自由詩 夜島へ Copyright 氷水蒸流 2007-06-22 20:24:21
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