紅の魂
山崎 風雅

 寡黙な空
 息づかいさえ吸い込む空


 迷い込んだ摩天楼
 季節はずれのため息
 乾いた声
 静かに目を閉じても
 溢れくる涙

 途方もない航海
 彷徨し続ける魂
 叫びは時代にかき消されて
 心はモザイク模様

 日々の煩わしさからは逃れられない
 苦痛が重なる毎日

 上を向いて
 涙を拭って

 開かぬドア
 曇天の空
 胸が張り裂けそう
 意味のない生
 現れはしないメシア

 どこまでも暗い夜
 ままならぬ自分

 諦めるか?

 僕の不幸を喜ぶ人がいる
 僕の嘆きに微笑む人がいる

 あぁ、なんてこったい

 明日も晴れはしない
 続く暗闇の中でも
 この胸に潜む微かな灯火を絶やさず
 眼光だけは消さない
 いつか風にのってやる
 今まではエピソード
 紅の魂よ
 絶望の果ての空に
 今こそ飛び立て


自由詩 紅の魂 Copyright 山崎 風雅 2007-06-19 00:07:32
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