待ち姿勢
吉岡孝次

信じ切って、二球目も振った
高得点が目の前にあった
地表と肩の高さの空気は
温度においても輝度においても異なっていて
一閃するタイミングを測るヘッドは
重心を回しながら僕の空間の内にあった
土煙に影はなく
構えの一つ一つに表情が読み取れた
名前と役割で互いは呼び交され
意思は、グリップの辺りで風を計っていた
ほんの少し先のことなら勘で判る
落下地点に
数秒後の音を聞いた


自由詩 待ち姿勢 Copyright 吉岡孝次 2007-06-18 21:57:13
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