落っこちている ぼく
望月 ゆき

きみの通り道に
ぼくはいつでも落っこちている

目立つように 
とはいえ ひっそりと

もしもし 
誰かさん 落し物ですよ

ビー玉のように光るでもなく
目覚まし時計のように鳴くでもなく
ニュース速報のような
興味もひかない
ぼく

賞味期限は心配いらない
そうはいっても
ね。

今日が昨日になっていく
現在(いま)が過去になっていく

通りすがりに 拾ってよ
見落とさないで

もしもし 
誰かさん 落し物ですよ

ピアノ線は最終手段。
卑怯だと思うかい

ここに いるから


落っこちたまま いるから


自由詩 落っこちている ぼく Copyright 望月 ゆき 2004-05-13 20:58:59
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