光跡(4)
信天翁

        色あせたアジサイが
 垣根のあいだでじっと舐めています
         梅雨入りの雨粒を
        待ち焦がれたように

        いろじろのむくげが
     鬼門でじっと待っています
       梅雨明けあとの軟風を
     待ちくたびれているように

     ひからびたねこぜのかげも    
裏鬼門でじっと虚空を見つめています   
    入道雲を駆け上るペガサスを
       待ち望んでいるように



自由詩 光跡(4) Copyright 信天翁 2007-06-15 21:12:16
notebook Home 戻る