昆虫採集
ぽえむ君
山の奥に入って行かなければ
採ることのできない昆虫が
都会の真ん中にたくさん生きている
虫網を使わなくとも
高価なお金で獲得できる
採る楽しみよりも
持つ楽しみに変わってきたのだろうか
容器の中の昆虫は
森での思い出を忘れてしまったのだろうか
綺麗なゼリーを必死になって舐めながら
せわしく動く人の流れを見つめている
コンクリートの中の子どもたちは
昆虫採集という言葉を知らないのだろうか
規格化されたアイスクリームを舐めながら
ほとんど動かない昆虫を見つめている
昆虫も子どもも
どこか同じような目をしていた