その街
アハウ

垂れ込めた 雨雲の下
その街は 午後を迎える

あの路地を
右へ折れると尻手黒川線
左側は商店街

猫の通う 細い道
衣料を商う 廉価店や
まだ 人のまばらな飲み屋街

気の早いクーラーの唸り
まばらの雨足に
先を急ぐ人は 空を見上げ
ワイパーの規則的な動きと
徐行する車は けだるい

巷 巷のじっとりと発汗する臭い
街 街は特有の塗りこめた 
『くすみ』を持ち

その臭いと色は
私を楽します

土地はすだき
商家は 私を呼ぶ


自由詩 その街 Copyright アハウ 2007-06-15 07:49:26
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