「    」
白昼夢

(題を決めるのはあなた自身)

空に舞う幾千の星
掬った雨蛙は星を見ている

まるでそこに行きたがっているような、
つぶらな眼をして

でも蛙たちは気がついていない

蛙こそが星なのだ


とどかない空へ、蛙が鳴いている

ととかない空の悔しさを

でももう届いているのを彼らは知らない


いっせいに響く蛙の鳴き声

月の光を反射して写る空
蛙は月のなかにいて
あの高い高い空をも超越して
そこにぽつんと蛙が座っている。
月に蛙、そして大合唱の星の海


蛙の群がる田んぼの畦道を歩く

ここから空へ
そして月へ
更なる高みへ上っていく
光に手が触れた時
蛙の輪唱が終わった

輪廻していく水の中
夜、蛙たちは空へ孵っていく

小さな波紋が
ゆれている


蛙の姿は見えなかった


自由詩 「    」 Copyright 白昼夢 2007-06-13 02:16:22
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