「 」
白昼夢
(題を決めるのはあなた自身)
空に舞う幾千の星
掬った雨蛙は星を見ている
まるでそこに行きたがっているような、
つぶらな眼をして
でも蛙たちは気がついていない
蛙こそが星なのだ
とどかない空へ、蛙が鳴いている
ととかない空の悔しさを
でももう届いているのを彼らは知らない
いっせいに響く蛙の鳴き声
月の光を反射して写る空
蛙は月のなかにいて
あの高い高い空をも超越して
そこにぽつんと蛙が座っている。
月に蛙、そして大合唱の星の海
蛙の群がる田んぼの畦道を歩く
ここから空へ
そして月へ
更なる高みへ上っていく
光に手が触れた時
蛙の輪唱が終わった
輪廻していく水の中
夜、蛙たちは空へ孵っていく
小さな波紋が
ゆれている
蛙の姿は見えなかった