キャスター(ワンカートン)
太陽の獣
火種が落ちたキャスターを
未練たらしくまだ指先で挟んでいる
甘ったるい味と匂いも
灰のそれしか残っていないと
上手く出来た脳ミソは分かっている
でも、ついつい確かめてしまう
そろそろ捨てようか
灰皿に捨てるのはもったいないなと
灰にちなんで肺に捨てると
はい、お見事
けれど胃じゃないから消化は出来ないみたいだ
手持ち無沙汰は落ち着かないから
残り少ない箱の中身を
慣れた仕草で一本取り出す
口にくわえて火をつける
慣れたものだな
ああ、落ち着くよ
体に悪いことぐらい
上手く出来た脳ミソは分かっている