私 という空白
いねむり猫



私 という空白
社会から割り当てられた 場所

私を入れる入れ物を作るために
駆使される規則

私という空白を
なぜ埋めなければならないのか

他のすべての生き物のように
偶然と必然のその先端で
むき出しのままに生きることに耐えられない
 
そのような生は硬く
そして小さな火花のように
何ひとつ連続するものを引き受けない

そのような生は強く

私たちの生は弱い

だから 私たちはお互いの空白を
埋め合い 
あるいは互いの空白が埋まっていると
認め合う

だから
私たちの病の始まりは
私という空白が埋まっているはずだと
思い込むことから始まっている




自由詩 私 という空白 Copyright いねむり猫 2007-06-10 07:42:33
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