私 という空白
いねむり猫
私 という空白
社会から割り当てられた 場所
私を入れる入れ物を作るために
駆使される規則
私という空白を
なぜ埋めなければならないのか
他のすべての生き物のように
偶然と必然のその先端で
むき出しのままに生きることに耐えられない
そのような生は硬く
そして小さな火花のように
何ひとつ連続するものを引き受けない
そのような生は強く
私たちの生は弱い
だから 私たちはお互いの空白を
埋め合い
あるいは互いの空白が埋まっていると
認め合う
だから
私たちの病の始まりは
私という空白が埋まっているはずだと
思い込むことから始まっている