俺も二宮金次郎
構造

薪を背負って仕事にはげみ
兄弟仲よく孝行つくす
このやろう
このやろう
俺だって二ノ宮金次郎だ

ああ、薪は
大自然だな

釜にたかれて腹をいやし
家をいぶして虫をふせぎ
灰となってはちらばって
これだけやくにたつのなら
幾らだって切ってくれるが
そんな膂力はそうそうない

おれは
びしょぬれにへばりつき
森もりとほっくりしてやろう
地にしみわたることなく
くさや木皮で飢えをしのぎ
べたべたなめくじひっつけて
おれが苔だらけの
二ノ宮金次郎になって
身をばたてたと戻ってきたら

オヤジやおふくろは
腰ばぬかして歯をふっとばし
ああぶっだまげんだろうなあ
ぶったまげんだろうなあ


自由詩 俺も二宮金次郎 Copyright 構造 2007-06-10 02:55:33
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